日本人の死因の上位を占める脳卒中や心筋梗塞は、血管の病気であることをご存知でしょうか。「人は血管とともに老いる」といわれており、加齢によって血管も老化します。また、加齢以外にも食生活の乱れや運動不足、喫煙などの生活習慣の乱れによっても血管は老化するため注意が必要です。自分の血管年齢を知ることで健康状態を把握し、必要に応じて早期から対策ができます。
この記事では、血管年齢の調べ方について詳しく解説します。また、血管年齢を測定する重要性についても説明します。血管年齢の測定方法について知りたい方や、整骨院やドラッグストアなどの経営者の方はぜひ最後までお読みください。
目次
血管年齢とは
血管年齢とは、血管のしなやかさや弾力性の度合いをわかりやすく示したものです。血管は加齢に伴って弾力性が失われ、硬くなったり狭くなったりします。普段の生活習慣の乱れにより、血管の老化スピードは速くなるといわれており、実年齢よりも血管年齢が高い人が増えています。以下に当てはまる方は、特に血管年齢が高くなりやすいため注意しましょう。
- タバコを吸う
- 高血圧
- お酒を週3日以上飲む
- 運動習慣がない
- 40歳以上
血管年齢が高いと、さまざまな病気を引き起こすリスクが高まります。後ほど、血管年齢を若く保つ方法についても紹介するのでチェックしてみてください。
血管年齢測定の重要性
血管年齢を測定することで、具体的にどのようなメリットがあるのか気になる方もいるでしょう。ここでは、血管年齢測定の重要性について以下の2つの視点から説明します。
- 健康状態を把握できる
- 生活習慣の改善につながる
それぞれについて詳しく解説します。
健康状態を把握できる
血管年齢は、心血管疾患のリスクを評価するための指標の1つです。「人間は血管から老いる」という言葉もあるように、血管の状態を把握することは健康寿命を伸ばすために大切です。健康診断では血圧やコレステロール値は測定しますが、血管の状態については知ることができません。自分の血管年齢を知ることで、より詳しく体の健康状態を把握できます。
生活習慣の改善につながる
血管年齢が実年齢よりも高い場合は、生活習慣の改善が必要です。具体的な数値として示すことで、お客様への動機づけになります。血管年齢を測定して現状を知り、生活習慣の改善を行うことで、健康意識を向上するためのきっかけを作れるでしょう。
血管年齢にかかわる健康リスク
血管年齢が高くなると、冷えや肩こりなどの体の不調の原因となります。さらに進行が進むと、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気のリスクも高まるといわれています。動脈硬化は、症状の悪化に気づきにくいことから「サイレント・キラー(静かな殺し屋)」とも呼ばれています。知らないうちに進行が進み、重大な病気になることも考えられるため、血管年齢測定を行い、動脈硬化の状態を把握することが大切です。
血管年齢の調べ方
血管年齢は専用の機器を使用して測定します。血管年齢の測定方法には、大きく分けて以下の3種類があります。
- CAVI(キャビィ)検査
- ABI(エービーアイ)検査
- 頚動脈エコー
それぞれの検査方法について詳しく解説します。
CAVI(キャビィ)検査
CAVI(キャビィ)検査とは、動脈の硬さを測定します。心臓から押し出された脈動が腕と足首の血管に到達するまでのスピードを測定して、血管のふくらみやしなやかさの度合いを確認します。
動脈硬化が進んでいるほど数値は高くなります。数値が9.0を超えている場合、約半数の方が脳動脈や冠動脈に動脈硬化を発症しているといわれています。
ABI(エービーアイ)検査
動脈の硬さを測定するCAVI(キャビィ)検査に対して、足の動脈の詰まりを測定するのがABI(エービーアイ)検査です。健康な方の場合、足首の血圧は腕の血圧と比較して、同じか少し高い程度といわれています。しかし、足の動脈が詰まっていると足の血圧は低くなるため、腕と足の血圧を測定して比較します。
数値が低いほど重症であり、0.9未満の場合は足の動脈が詰まっている可能性があります。足の動脈が詰まっていると、足に痛みを感じやすい点が特徴です。「CAVI検査」と「ABI検査」を組み合わせて行うことで、より正確な健康年齢を測定できます。
頚動脈エコー
頚動脈エコーとはベッドに横になり、頚部にゼリーを塗って超音波を当てる検査方法です。動脈硬化が進行すると、血管の中にコレステロールが蓄積されます。頚動脈エコーでは、血管の硬さだけでは判断できない内膜肥厚やプラークの大きさや性状を確認できる点が特徴です。
さまざまな血管年齢測定機を取り揃えてます。
血管年齢を若く保つためのセルフケア方法
血管年齢は生活習慣と関連しているため、血管年齢を若く保つには生活習慣の見直しが必要です。具体的には以下の3つの方法があります。
- 食生活を見直す
- 運動習慣をつける
- ストレスを溜め込まない
生活習慣を改善することで、血管を健やかに保つことが可能であるといわれています。誰でも取り組める方法のため、血管年齢を若く保ちたい方はぜひ参考にしてください。
食生活を見直す
血管年齢の進行を防ぐためには、食生活の改善が重要です。食生活で意識したいポイントは以下の3つです。
- 塩分を減らす
- 青魚や大豆食品を摂取する
- 野菜を摂取する
塩分を摂りすぎると、動脈硬化を進行させる原因である高血圧になる可能性があります。調味料や練り製品、汁物などは控えめにしましょう。
大豆には良質たんぱく質が豊富で、魚には動脈硬化の予防に効果が期待できるEPAやDHAも含まれています。また、野菜には塩分を排出するカリウムをはじめとするミネラルやビタミンが豊富に含まれているため、積極的に摂取するとよいでしょう。
運動習慣をつける
血管年齢を若く保つためには、食生活に加えて適度な運動も取り入れましょう。1日10分ほどの運動習慣をつけることで、血行の流れがよくなるといわれています。とはいえ、いきなり特別な運動をする必要はなく、エスカレーターの使用頻度を減らしたり、家事の合間にストレッチをしたりすることなどから始めましょう。無理のない範囲で取り組み、継続して運動する習慣をつけることが大切です。
ストレスを溜め込まない
仕事や人間関係など、人間はストレスを避けて生きることはできません。しかし、過度なストレス状態が続くと、お酒やタバコの量が増えることもあるでしょう。生活習慣が乱れると血管にも影響を与える可能性があります。ストレスが溜まってきたら、他の人に悩みを聞いてもらったり趣味に没頭したりするなど、発散する方法を身につけておくことが大切です。
まとめ
この記事では、血管年齢の測定方法や測定の重要性について紹介しました。血管年齢は、心血管疾患のリスクを評価するための指標の1つであり、進行するとさまざまな病気のリスクが高まります。血管年齢は加齢とともに高くなりますが、生活習慣も大きく関わりがあるといわれています。
整骨院やドラッグストアなどに血管年齢計を導入することで、お客様は自分の健康状態を客観的に把握し、健康意識を向上させるきっかけとなるでしょう。血管年齢計は、血管健康度を5段階で判定し、ワンポイントアドバイスも表示されます。血管年齢計について詳しく知りたい方は、まずはお気軽にお問い合わせください。