近年、注目を集めている体内AGEs(エージーイー)蓄積を測定する装置の取り扱いを始めました。
製品の使用感についてお伝えしたいと思います。
目次
AGEs(終末糖化産物・エージーイー)は、加齢現象や健康に関わる注目の物質。
AGEs(Advanced Glycation Endproducts・エージーイー)はタンパク質と糖が加熱されて結びついた物質です。
暴飲暴食や運動不足、野菜不足、甘いものを多く食べたり、食べるのが早いといったことがAGEsが過剰に蓄積する原因となります。一般的にダイエットに効果的と思われることがAGEsの抑制に繋がります。
タンパク質と糖が結びつくことを糖化、その結果、生成された物質をAGEs(終末糖化産物)と呼びます。タンパク質と糖は熱によって結びつくことから糖化を「体が焦げつく」と表現することがあります。これは、活性酸素が体を「錆びつかせる」と表現した酸化とよく似ています。「糖化」は「酸化」と並んで健康面や美容面でもさまざまな悪影響を与えることも近年明らかになっています。
糖化は、不可逆反応と言われているため、一度体内でAGEsになった物質は元に戻りません。そのため、普段から「抗糖化」を心掛けた生活習慣の改善が重要です。
体内AGEsの蓄積を測定し、アンチエイジングや健康、生活習慣をチェックする新しい指標としての活用が始まっています。
非侵襲的で数十秒でAGEs蓄積を測定。
これまで、体内AGEsの測定は採血をするなど、専門機関での検査が必要でした。測定者に負担がかかるうえ、結果が出るまでに時間がかかることが課題でした。
体内AGEs測定装置は世界で初めて、指先で非侵襲的にAGEs蛍光度を検出する測定機器として注目を集めています。
メーカーのカタログは、測定のメカニズムを次のように説明しています。
AGEsのなかには、特定の励起光を照射すると蛍光を放つ性質を持っているものがあります。測定にはこの性質を利用しています。しかし、これまでの酸素飽和度計や脈波計と比較すると、受光しなければいけない光の強度は、きわめて微弱で、学術利用レベルの高精度の非侵襲測定は困難でした。同機種は、不要光を除去するための光学設計や超高感度回路技術を実現して、AGEsからの高精度な蛍光測定を可能にしています。
実際に使ってみた動画はこちら。
美しいデザインで、配線が少ない。
システムは、AGEsセンサ本体とタブレット、レシートプリンタ、QRコードリーダーのセットで構成されています。
白でまとめられた各機器は清潔感があります。タブレットとAGEsセンサ本体、レシートプリンタはBluetooth®で接続可能で、配線は非常にすっきりしています。
写真はAGEsセンサ本体とレシートプリンタの電源ケーブル。タブレットとQRコードのUSBケーブルだけです。
タブレットも電源ケーブルを接続してもケーブルは全部で4本だけです。
説明書不要のわかりやすいインターフェース。
タブレットのアプリを起動すると、測定準備が始まります。
1画面につき、一つの確認事項だけで文字やボタンも少なく、わかりやすいインターフェイスだと感じました。初めてでも、多くの人が説明書不要で操作できると思います。
測定者に指をセットしてもらう箇所でもイラストが表示されるので、操作がわかりやすいです。
注意点としては、指先に化粧品クリームや日焼け止めがついていると測定の結果に影響を与えます。また、測定センサの部分も汚れのない状態で測定する必要があります。測定前によく手を洗い、しっかりと乾いた状態で測定するのが良いと思います。
センサ中央のクリップを持ち上げて左手中指の先をいれて、クリップを離して固定します。セットが終わると自動で測定が始まります。
メラニンの蓄積のある部位では、蛍光物質の検出が阻害され、測定誤差が生じることもあるそうです。また、血管が存在する箇所でも値に差が出ます。そのため、太い血管が少なく、日焼けによるメラニンが蓄積しにくい指先を使って測定します。
測定にかかる時間は、数十秒で、測定者によっても多少の前後があります。
測定結果はA~E評価と数値。
測定結果は、A~Eの評価とAGEsスコア、同年代100人中何位なのかの3点です。
測定結果は、AGEsスコア「0.46」。同年代100人中64位「やや高い(悪い)」ということで、これから生活習慣の改善に取り組みたいと思います。
年代別に健康な人の平均と比べた位置や改善のためのアドバイスなども表示されます。
繰り返しの測定で推移もグラフ化。
測定結果はプリントして、測定者にその場でレシートを渡すことができます。レシートにはQRコードがついていて、次回測定する際に読み込むと数値の推移をグラフ化して表示できます。
生活習慣の改善による数値の変化をみられるまでには、おおよそ1ヵ月程度かかるそうです。数か月に一度、AGEs蓄積を測定することで生活習慣の見える化ができ、モチベーションの維持になると思います。
レシートのQRコードで履歴を管理するというのは、ドラッグストアやフィットネスクラブの店頭、健康イベントの会場などでは非常に手軽で良い方法だと思います。レジ対応や電話応対と並行して測定したり、多くの人が並ぶイベントでは1人当たり測定時間は短い方が良いでしょう。名前を聞いてデータベースを検索して、測定するような履歴管理よりもQRコードの読み取りの方がずっと早く対応できます。
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